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甘いのは御好き。
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あの邸のサロンは、南に向いた窓だから、日当たりは良いの。
景色も綺麗。
だからあのドレープの多いレースのカーテンを、どけてしまおうと思ったのだけど。
でも、陽が当たると絵が褪せるからだめなんですって。

先日、街角の生垣の、薔薇が散りかけていたのを見たわ。
わたし、お部屋の花瓶の、きれいに咲いた花しか知らなかった。
散る前に誰かが替えるの。
本当は、薔薇も、散ってしまうのね。
そうそう、それに。
薔薇は陽ではなく、雨に当たると褪せるのね。
不思議。
散りも枯れも褪せもしない偽の薔薇と、どちらが不思議かしら。
(知っている、本当は、前者のほうが、)

もう薔薇の盛りの五月も終わる。
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寒い、わ。
窓の向こうの風の冷たさが、部屋の中でも手にとるようにわかる。

シャルムーンの日は、皆さまいかが過ごされたかしら。
わたし?
わたしはお祭りごとには縁がないものと、思っていたのだけれど、でも、友達ができると、そうではないものなのね。
ショコラはもともと好きだけれども、あの日に食べたものはいちばん甘くて美味しい。
本当のところ、食べるのがもったいないと思ったの。
お返しをする日は、何というのかしら。ホワイトデー。白いシャルムーン?
たのしみよ。



あのね。おでかけすることになったの。
大好きなひととよ。
場所はいささか不謹慎だけど、でも、そのほうがお誘いするのに気が楽な気がして、というのは、変かしら。
わたしはきっと怖がりなのね。
4月1日に愛しているということは易しいけれど、そうでない日は難しい。
でも、4月の1日だって、嘘をついても良い日だけれど、嘘をつかねばならない日ではないわ。
そうでしょう?

と、いって、愛の告白なんて大それたことをできようはずもないし、そんなじゃないわ、違うのよ、
わたし、たとえがおかしいかしら?

でもきっと、楽しいおでかけになると思うの。

たのしみね。

 
アクスヘイムに居た最後の頃にわたしが居候させてもらったお屋敷を、引き払ったとあの子が言った。
大人の事情とあの子はいうけれど、わたしの方が年上なのに。
でもそんなことはどうでも良くて、もう帰ることはない、のかしら。
この新しいお屋敷もとても快適だから良い。

そういえば、お屋敷の維持だとか、生活のためのことだとか、
そういうのって、よく、わからないの。
もう身寄りがないのだから、パトロンの一人や二人はやく探せとあの子はいうけれど、
でも、それって妾になるということなのかしら、それはわたしの嫌いなあの女みたいで何だか嫌だ。わ。
あの子はそうしているのかしら。

でも、そもそも、貧乏、ってどんなことかしら。
お金って、そんなにも必要?地位って、権力って、何のこと?
あの子にはそれが必要で、それなりに持ってもいて、
でも、だったらわたしが持っていなくても良いような気がするの。
と、言うと、ヒモだと笑われましたけど。
わたし、ちっとも贅沢なんか望んでないわ。
いつも綺麗な服を着て、髪を結ってくれるひとがいて、
美味しいご飯を食べられて、お茶をゆっくり楽しめて、
庭のあるお屋敷に暮らせて、欲しいものを我慢しなくて済むなら、たったそれだけで幸せよ。
……愛し合えるひと、が、いた、ら。もっと幸せですけれど。

そうそう。最近は贅沢をひとつだけ。
絵本の中で見たような、白い綺麗なお城のような。
そんな場所でのお茶会に、末席をいただくことになりました。
それは、ねぇ、とても素敵だと思いませんこと。
手土産におはなしをたくさんできるように、と、遠回りしてうかがうの。
いつもの道から新しいプロムナードを探しに行くのは、それも楽しいことよ。ね。
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お人形は喋らないから怖いのだろうとメロが言ったけど、
それは、きっと、正しいことよね。

でも、喋っても怖いとおもうのよ。
わたしの暮らした館にはお人形がたくさんあって、
もしもあの子たち皆が喋れて、あの子たち同士友達になって、
わたしがのけ者にされたならそれは怖いことだと思いませんこと。

わたしはあの子達全ての名前をもう覚えてはいないから、
怒っていると思うのよ。
独りで寝る夜傍らにあの子たちの誰かがいたのは今はむかし。
むかしのむかし。


そういえば
お人形はいつもお品よくしていてお行儀良くて。
そうじゃない姿なんて想像できないけれど。
人間はどんなにお人形みたいに綺麗で可愛い子でも、豹変、するの、ね。
バトンを見てしりました。

拾ってきたから今度してみる。

おやすみなさい。


空の色が変わったと思うの。
夏と秋の違いって、ね、空の色だと思いません?
秋は空が遠くなるの。

わたしが幼い時分にはわたしが住んでいたお屋敷は、まだ空が見えていたのですって。
晴れた日には窓辺に置いた椅子に掛けて、時間を潰す。
広く望む空が綺麗で、その雲や月や星をわたしが取って欲しいと駄々をこねては乳母を困らせていたのだと、お兄様がそう、おっしゃった。
わたしはことさら夜空が好き。

ね、知ってた。
雲は綿飴じゃないんですってね。
お星さまは金平糖ではなくて、お月さまはこんがり焼いたサブレではないのですって。
それは、そうすると、少しだけ残念なよう、な、でも良いわ、他の誰かに食べられて悔しい思いをすることもないのでしょう。
幼なじみのあの子がね、お月さまをとってもらったらきっとはんぶんこしましょうね、ってわたしが言うと、全部自分のものだって言い張るものだから喧嘩になって、でも、その必要もないのでしょう。

風のふく日と雨の降る日は、鎧戸をしめてしまうから憂うつね。
あの白い鎧戸に、空の絵をかけば良いとわたしは思ったのだけど、それだとずっと同じ空だから嫌。
下層の、空の見えないばしょは、それでも、窓からお外を見るといつも何か違う気がして、不思議よね、上を見上げても天井なのに。
最近わたしが遊ぶお屋敷は、二つとも下層で、古くて、空はないけど、なのに退屈しないのよ。
それはきっと空のせいではないのだけれど。

あのね、お会いできて嬉しいわ。
わたしをヴァニラと呼んでくださるお友達が増えたのは、本当に良い。
呼んで聴かせてくださりました貴方には心からの親愛を。
まだ見ぬ貴方、いつかそのお声で聴かせてくださりましね。
大好きよ。

今宵貴方の見上げる空がさやけきことを祈ります。

お月さまは皆のもの。
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