「ヴァニーユ？ふぅん。じゃあ、ヴァニラ。初めまして、よろしくね」

つくったものはうつくしい。
つくりものの奇麗さで、あの子は笑う。

 

＊

フランス語“Vanille”を英語にすると“Vanilla”。
この世界に多言語があるかだなんて知りませんけど。
名前の通りヴァニーユはフランス語圏のひと的な設定（イメージ）なのだけれども、いかにも気取ったクイーンズイングリッシュを喋り散らかしていそうな幼なじみが初対面のとき勝手に英語で呼んだのがなぜか愛称になりました。という設定。
幼なじみは幼いながらに小賢しいお嬢さんだったので、親しみをこめたというよりも「こちらの流儀に合わせてね」とでも言わんばかりの高飛車な牽制のつもりだったけれども、ヴァニーユが素直に受け取り喜んだので拍子抜け。気に入られ、以降仲良しに。
とはいえヴァニーユも成長してから色々と気付くにつけて思うところはあるらしく、実はちょっと拗ねていたり。
愛称自体は馴染んでしまって、もう長いことお気に入り。